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ああ、不覚だわ。
宿屋の煤けた天井を見上げながら、ティアは思った。
傍らには冷めたい濡れタオルを彼女の額に当てている、ジェイド。
ケテルブルク滞在後、アイテム補充のために立ち寄った街で、ティアは熱を出して倒れてしまった。
しかもあろうことか、仲間達が全員で払った昼の宿屋の廊下で。
運良く・・・なのか悪くなのかは微妙なところだが、通りかかったジェイドに床に崩れ落ちる寸前で支えられ、部屋に運んでもらった挙句にこうやって看病してもらっているのだ。
頼んだわけではないとはいえ、心苦しい。
「あの、もう大丈夫ですから」と言うと、「遠慮はいりませんよ」と返される。
彼はわかっていないのだ。彼がそばにいると、余計にティアの熱が上がってしまう、なんて。
「ケテルブルクは体に合いませんでしたか?」
ジェイドが言う。ティアが体調を崩してしまったことを言っているのだろう。
「いえ・・・でも、少し寒かったので」
「そうですか。では、住居を構えてしまえば平気ですかね」
「は? あの、大佐、何のお話ですか?」
にこにこと微笑むジェイドに、ティアが問う。
すると彼は当たり前だと言わんばかりに「あなたとの結婚後の話ですよ」と言った。
それを聞いた瞬間、ティアの熱はピークまで一気に上がってしまったのは言うまでもない。
end
よく考えれば、大佐は今、グランコクマに住んでいるのでした(汗)
というか大佐、飛躍しすぎです。
2006.8. ありさか